言葉にしてみる日記

日頃考えていることや感じたことを言語化するために書いているブログです。

職業教育を行う新たな高等教育機関の創設について

平成27年6月4日の産業競争力会議で、安倍晋三首相が職業教育を行う新たな高等教育機関の創設を表明したことに注目が集まっています。

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職業教育を行う新たな高等教育機関については、まず、平成26年7月3日に教育再生実行会議が取りまとめた「今後の学制等の在り方について」(第五次提言)において言及がなされたように記憶しています。

 職業教育は、若者が自らの夢や志を考え、目的意識を持って実践的な職業能力を身に付けられるようにするとともに、産業構造の変化や技術革新等に対応して一層充実を図ることが必要です。特に、高等教育段階では、社会的需要に応じた質の高い職業人の養成が望まれますが、ⅰ)大学や短期大学は、学術研究を基にした教育を基本とし、企業等と連携した実践的な職業教育を行うことに特化した仕組みにはなっていない、ⅱ)高等専門学校は、中学校卒業後からの5年一貫教育を行うことを特色とするものであり、高等学校卒業段階の若者や社会人に対する職業教育には十分に対応していない、ⅲ)専修学校専門課程(専門学校)は、教育の質が制度上担保されていないこともあり、必ずしも適切な社会的評価を得られていない、などの課題が指摘されています。こうした課題を踏まえ、大学、高等専門学校、専門学校、高等学校等における職業教育を充実するとともに、質の高い実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化が求められます。

この提言を受けて、文部科学省では、「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議」を開催し、実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の基本的な制度の在り方について審議を行い、平成27年3月27日に審議まとめを公表しています。


ちなみにこの有識者会議の会議では、株式会社経営共創基盤CEOの冨山和彦氏の提出した資料が大きな波紋を呼びました。

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そして、今回の産業競争力会議での議論につながるというわけです。

現時点で公表されている第7回産業競争力会議課題別会合の配布資料を見ても詳しい内容はわかりませんが、おそらくは有識者会議での審議まとめから大きく変更はないものと思われます。

 

さて、いろいろな資料を紹介してきましたが、職業教育を行う新たな高等教育機関の在り方や実践的な職業教育を推進していくことの是非についてはよく分からないというのが正直なところです。

しかし、教育再生実行会議から今回の産業競争力会議での議論に至るスピードの速さは本当に驚かされます。

圧倒的なスピード感に中央教育審議会の役割とはいったい何なのだろうと不安に思ったりもしますが、それだけ政府が教育改革に大きな問題意識を持っているということなのでしょう。

そんな国のスピード感とは対照的に勤務する大学の関係者はまだまだのんびりしているように思えます。こちらは、いつになったら危機感を覚えるようになるのかと別の不安を感じてしまいます。