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言葉にしてみる日記

日頃考えていることや感じたことを言語化するために書いているブログです。

管理部門の必要性について

最近、職場の人事課の担当者に、「優秀な研究者の確保のために年俸制を含めた柔軟な人事給与制度の導入を検討できないか」と相談したことがありました。

担当者からの回答は、「近隣の○○大学や××大学で導入されていない制度を本学がいきなり導入することはできない」というもので、大変驚きました。導入を検討しない理由として近隣の大学がやっていないということを挙げたからです。

 

このように「同じ地区の大規模大学である××大学がやり始めてから、それを真似して制度設計すればいい」と答える職員は私の職場では比較的多いように思われます。

そして、このような答えを聞く度に、国立大学改革において、民主党政権下でさかんに目にしたアンブレラ方式(一法人複数大学方式)のことを思い出します。

benesse.jp

bizacademy.nikkei.co.jp

これらの記事を見ると「大学改革実行プラン」までは、国立大学改革の大学間連携を促進するための方法の一つとして明確に位置付けられていたことが分かります。

ロードマップには、「国立大学改革プランの策定」《25年央まで》としてアンブレラ方式が例示されていたのですが、その後、策定された「国立大学改革プラン」ではどこにも書いていないようです。自民党政権になった途端にぱったりと目にする機会がなくなったということは、政策的な変更があったのでしょうかね。

 

さて、小規模な国立大学の職員として働いていると、最近、総務や財務、人事などの管理系の部署は、大学毎に必要なのかということを強く思います。給与に関する業務や旅費、物品管理等の事務は、大学が変わっても基本的には類似した制度のもとで運用されているにもかかわらず、個々の大学にそれぞれ管理部門を置く必要があるのでしょうか。

ましてや冒頭の「同じ地区の大規模大学である××大学がやり始めてから、それを真似して制度設計すればいい」という考えで管理部門を置いているのであれば、むしろ、個別に管理部門を置くのは無駄で、××大学の管理部門がそのまま本学の業務を行った方が良いとさえ思います。

 

同一法人複数大学方式の導入は難しいかもしれませんが、地方公共団体で進められている共同事務のようなものができないものでしょうか。

 

と思ったら、実は、平成27年5月21日に開催された産業競争力会議の第9回新陳代謝・イノベーションWGで文部科学省が発表した「『国立大学経営力戦略』策定に向けた方向性について」において、

○ 機能強化のための組織再編、大学間・専門分野間での連携・連合等の促進の重点支援

・産業構造や雇用ニーズに対応した学部・大学院の再編、新たな研究領域の組織
・共同利用・共同研究等による拠点機能の強化、共同事務の推進
・大学間連携・ネットワークの構築(例:入試、教養教育、海外大学との交流等の共同実施)

と共同事務の導入が推奨されていました。

 

確かに、個々の大学がそれぞれ機能強化を進め、特色ある大学運営を進めていくためには、単に共同事務を導入して合理化できないケースも増えてくると思います。むしろ、平成27年6月15日に公表された「第3期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方について(審議まとめ)」に言及されるように、大学の付加価値の提供という機能を「地域への貢献」や「強み・特色ある分野」、「世界での卓越」という3類型に代表されるように大学毎に差別化していく方向性が主流になっています。

 

だからこそ、例えば、共同化・合理化をすることによってコスト削減が見込まれる業務と、質の高い大学教育や研究成果という個々の大学の付加価値の増大に結びつくような業務とに整理するなどして管理部門の在り方を考えてみる必要があるのではないでしょうか。